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2014年06月16日

国六の新庄村植林事業

二日目、岡山駅に送ってもらう前に、国六株式会社さんの新庄村での植林事業の説明を受けました。

中国地方の山間部は、ジブリ映画「もののけ姫」にも出てきた、たたら製鉄が盛んに行われた地域で、その燃料となる木炭を大量に使用する関係で、古くから計画的な植林が行われてきた地域です。

そのような植林の歴史があるこの地域に目を付け、100年以上も前から新庄村で植林事業を行ってきたのが、岐阜に本社を置く国六株式会社だったのです。

国六の新庄村植林事業
国六さんが植林した山です

通常は、木材価値のあるスギ・ヒノキの収量を上げるために、斜面全部に植林をすることが一般的なのですが、この地域で国六さんが行っている植林は、尾根筋に落葉広葉樹を植えた残りの部分にスギ・ヒノキを植林するという、独自の方法で行なっています。

収量が下がってしまうこの方法を敢えて採用しているのは、二つの大きな理由があってのことからです。

一つ目の理由は、根が大きく広がる広葉樹を植えることで尾根筋の土をしっかりと安定させ、風水害から斜面を守るためです。

どんなに植林をしても、自然災害により斜面が崩れてしまえば、今までの努力が全くの無駄になってしまいますから、斜面を守ることはとても重要なことです。

二つ目の理由は、冬季に葉が落ち、それが土に還ることで、十分な栄養を土壌に与えることが出来るからです。

密植した針葉樹の林は、地面に十分な光が届かず、下草もあまり生えないため、土壌はどんどん痩せていってしまいますが、健全な土壌を保つためには栄養補給が必要となってきます。

尾根筋に植えることは、日当たりが良く落葉も分解されやすい上、雨の力を利用して上から斜面に栄養補給が行なえるという、一石二鳥の効果があります。

最近では、この植林方法を見学しに林野庁の職員も新庄村に良く来るそうです。

国六の新庄村植林事業
また、このようなしっかりとした看板を掲示して、「林業の見える化」を図ることで、一般の人々に林業をアピールすることも行っています。

今回、中国地方の中山間地を見させて頂いたのですが、どこも予想以上に素晴らしく、山間僻地=前近代的で時代遅れの地域という概念を簡単に吹き飛ばしてくれるどころか、「これこそ最先端」というものをいくつも見ることが出来ました。

建築材料として、バイオマス燃料として、観光資源として、山林の持つポテンシャルの高さに改めて気づかされるとともに、これからの日本を考えるとこの資源をしっかりと生かしていくことをしなければ、日本も地域もゆたかに暮らすことが出来ないと痛感致しました。

とても貴重な体験をさせて頂きましたことを改めて感謝して、岡山行きの話を終了したいと思います。


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Posted by 茹で落花生 at 08:10│Comments(0)建築旅行記
 
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