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2014年05月17日

CLTのアドバンテージ

木質大型パネルであるCLTには、どのようなアドバンテージがあるのでしょうか。

CLT工法と比較する上で一番適している(似ている)構造形式が、予め工場でパネル化した鉄筋コンクリート(RC)の壁を現場で組み立てていく、プレキャストコンクリート(PCa)工法の壁式(柱・梁を用いずに壁で建物を支える)RC構造です。
CLTのアドバンテージ
壁式RC構造の概念図です

PCa壁式RC造と比べてのアドバンテージは、①軽い、②強い、③早い、④やわらかい、の4点が主に考えられます。

まず、「①軽い」ですが、比重2.4のRCに対してCLTは0.4~0.5と1/5も小さく、この軽さのメリットが、様々なところで恩恵をもたらしてくれます。

構造的には建物本体の自重が軽くなるので、地震荷重の低減、基礎の簡素化、地盤へのインパクト減など、全ての面でかなり有利に働きます。

施工する上では、部材が同じ大きさのままであれば運搬車両や楊重クレーンなどを小さくすることが出来ますし、逆に、一つ一つの部材を大きくすることで部材の数を減らして、施工性をアップさせることも可能となります。

「②強い」は、意外に思われる方も多いと思いますが、同体積で比べる絶対強度においてはCLTは劣りますが、重量比強度ですとCLTのほうがはるかに高い数字が出ます。(軽い割にとても強い、ということです)

「③早い」は、工場でのパネル生産スピードが全く違います。
PCaの場合は、型枠を組み立て、鉄筋を並べて、打込み金物を取り付け、それからコンクリートを流し込み、それが固まるまで何日間か養生した後型枠を脱型して初めて出荷、となります。
また、コンクリートを流し込む際には、パネルを寝かせた状態で行い、その状態が何日も続きますから、ストックヤードが狭いと次のパネルが作れません。

CLTの場合は、板を並べ始めてからパネルに圧力を掛け終えるまでで約1時間、それ以降は、移動も積み重ねも全く問題なく行えますし、接着剤が完全に乾けば(約8時間)取り付け可能となりますから、前日工場で加工したパネルを翌日現場で取り付ける、なんてことも可能となります。
また、①で挙げた軽量化により施工性がアップすることによって、「早い」を実現することも可能です。

「④やわらかい」は、材料の加工が容易であることを指しています。固まったコンクリートに加工を施すのはかなり大変ですが、CLTならば全く問題有りません。

これ以外にも、断熱性が高かったり、寸法安定性が良かったり、仕上げ材料が不要だったり、と多くのメリットがあります。

これほど多くの特徴を持つ素材ですから、法規制をクリアにして、我々設計者が制約を受けずにどんどん使えるようにすることが、一番大事になってくるのではないかと思います。


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Posted by 茹で落花生 at 17:43│Comments(0)建築旅行記
 
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