換気口が給気口になると
24時間換気計画で全館暖房が実現可能な建物なのに「電気代が勿体ない」等の理由でパイプファンを動かさないとどうなるでしょうか?
答えは簡単で「動かさない換気口は給気口になる」です。では、換気口が給気口になった場合に、どのような影響が出るのかを洗面脱衣室を例に考えてみます。
洗面脱衣室は、浴室とセットで建物北側に設置されることが多く、また、機能や防犯の面から窓を大きく取ることが少ないために、浴室への出入りや洗面化粧台の使用等で湿気がこもりやすいにもかかわらず、陽当たりや通風による湿気除去や乾燥を望むことが出来ない場所です。
ここでパイプファンを動かせば、室温も上昇し排湿もしっかり行われるのですが、逆にパイプファンを止めてしまうと、換気口が給気口となり冷気が直接洗面脱衣室に充満し、室内結露→カビなどの雑菌繁殖という道を辿ってしまいます。
また、洗面脱衣室は、その名前の通り入浴前後で服を脱いで裸になりますから、この室温がより外気温に近い状態は、体にとってあまり好ましくはありません。
パイプファンスイッチのオンオフだけで、これだけ室内の状態が変わります。
さらにその冷気は、洗面脱衣室内だけに留まることはなく居室側にも侵入してくるために、「予期せぬ隙間風」となって居室内の快適度を大きく下げてしまいます。
では勿体無いと思われている電気代、一体どの程度なのか計算してみましょう。
パイプファンφ100の消費電力は機種や周波数によってバラツキがありますが、3Wとして計算します。電気料金も、地域やプランによってバラツキがありますが、1kWh当たり30円として計算します。24時間365日休みなく稼働する電気代は、3W/h×24h×365×30円/kWh÷1,000=788.4円、約800円となります。
建物全体で6ヶ所あると想定して、800円/ヶ所×6ヶ所=4,800円。つまり、年間5,000円のランニングコストで済んでしまう計算となります。
これを「高い」と考えるか「安い」と考えるのかは人それぞれだと思いますが、血管にリスクを抱えている人にとっては、少し大げさですが「命に係わる問題」として考えた上で判断して欲しいと思います。
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