第3種換気と薪ストーブ
自然給気・機械排気の第3種換気方式は、給排気のバランスが取れている状態でも室内が負圧になる換気方式ですので、給気量が少なかったり排気量が増えたりすれば、それだけ負圧の度合いが大きくなっていきます。
現在の一般的な住宅 + 薪ストーブの組み合わせは、給気不足 + 排気量増大という組み合わせとなるので、負圧に対して何らかの対策が必要となってきます。
今シーズンまだ出番なしのDOVRE700MFF、久し振りの雄姿?です
薪ストーブを中心に負圧を考えると、ドラフトが弱い時にストーブが受ける影響と、燃焼が進み排気量が増えた時にストーブが周囲に及ぼす影響、この二つの相反する影響を考える必要があります。
ドラフトが弱い時には、煙突が給気口となり外気が室内側に流入してしまうので、焚き付けに失敗したり、ひどい時には煙が室内に逆流したりします。
これを防ぐには、近くの窓を開けて負圧を低減させるのが有効です。その際の窓の開け辛さで、負圧の度合いがある程度分かります。
(キッチンの換気扇が動いている時は、かなり開け辛い)
燃焼が進み排気量が増えた時には、今度は逆に煙突が排気口となり室内空気をどんどん吸い込んで行きます。その量はパイプファンの比ではありません。
この状態は、言うなれば「漏気」「隙間風」などの冷たい空気(外気)が薪ストーブに向かって動いている、ということですので「ストーブは暖かいけれども足元の冷気が気になる」という不快な状態になりがちです。(冷気は重いので足元を通る)
さらに、暖められた室内空気が建物の隙間からどんどん外へ逃げて行ってしまうような気密性の低い建物の場合、煙突からの排気分にこの外へ逃げる暖気分が加算されるため、大量の冷気が薪ストーブに押し寄せることになり、極端なことを言えば「冷気吹き荒ぶなか、輻射熱だけで暖を取る」ような状態となります。
良く「隙間風対策」として、外気が入って来る場所を一生懸命塞いだりしますが、これはあまり意味のあることではありません。
(必要量の空気は、必ず別の隙間から侵入してきます)
冷気の入る側では無く、暖気が出ていく側の隙間をしっかりと塞ぐことが、まず最初に求められる作業になります。ただし、表面上の隙間だけ処理しても、その裏側の空気が自由に動く環境だと、残念ながら効果は出ません。
(これについては、後日の記事で詳しく説明します)
話を薪ストーブの負圧に戻して、この相反する二つの状態を改善する方法を次回の記事で紹介したいと思います。(低気密住宅は対象外ですが・・・)
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