ユニットバスからの漏気
高気密高断熱住宅の場合、パイプファンを動かせば洗面脱衣室は居室とほぼ同様の快適な状態になるとは言ったものの、実際、そうならないケースがあります。
居室からの暖気を引っ張るのではなく、ユニットバスの隙間から冷気を引っ張ってきてしまうことがあるからです。
これは、ユニットバス設置前の状況です。ユニットバス自体、とても気密性が高い造りをしているので、そこで気密が取れていると安心してしまいがちなのですが、ユニットバス設置前の状況を考えてみれば良く分かるかと思いますが、実際は、床で仕切られていないために床下基礎部分で外気とつながっていますし、平屋であれば屋根面でも外気とつながっていることになります。
従って、ユニットバスと洗面脱衣室との取合部分の処理が甘いと、そこから冷気が侵入して来ることになります。
実は、大半の建物がこの冷気に悩まされる造りになっています。と言うのは、この冷気に対する根本的な解決策は建物側で行なうのですが、高気密高断熱を売りにする建物でも、この部分の処理をきちんと行なっていることが少ないからです。
高気密高断熱をうたうハウスメーカーが、完成した建物の気密測定をする際に、ユニットバスからの漏気がひどくて測定値が出ず、ユニットバス周囲をガチガチに目貼りしてメーカー推奨値がやっと出たのでそれを測定結果にした、なんていう悪い冗談のような話も実在しています。
抜本的な対策は、建物が建った後からは出来ないので、ユニットバスと洗面脱衣室との取り合い部の隙間をシーリング等で塞ぐしか対処法はありません。
また、洗面脱衣室の床下点検口からも冷気が侵入することがありますので、ここもしっかりと対策を取ったほうが良いと思います。
ある程度隙間処理をしてもまだ冷気に悩まされるようならば、洗面脱衣室のドアを開けて暖気が入りやすくするようにしたり、浴室内の窓を閉めて浴室入口ドアを少し開けて浴室換気扇を動かして冷気を浴室に引っ張るようにすれば、だいぶ良くなると思います。(浴室換気扇は風量が強いので「弱」や「24時間換気」で運転)
にほんブログ村
関連記事