前回記事で、薪ストーブに関する負圧状態には、室内の負圧によって薪ストーブの燃焼に影響が出る場合(煙突が給気口になる)と、薪ストーブの燃焼によって室内が負圧となって周囲に影響を及ぼす場合(煙突が排気口になる)、という二通りがあることを説明しました。
この二つは相反する状態なので、解決策は個別に考えるべきものなのですが、実は、そのどちらの問題にも共通する解決策があるのです。
その解決策とは、「薪ストーブ直近に大きな給気口を設ける」というものです。
我が家の炉台には、丁度薪ストーブの来る位置に給気口を設置しています
薪ストーブの直近に大きな給気口を設けた場合の状態変化を考えてみます。
まず、一番目の「煙突が給気口となる」場合ですが、煙突よりも抵抗の少ない給気口があれば、必要な空気は給気口から供給されるため、薪ストーブ内部の負圧状態は簡単に解消されます。
この場合は、給気口は薪ストーブの近くにある必要はありません。遠く離れた窓を開けても同じ効果が見込めます。
次に、二番目の「煙突が排気口となる」場合ですが、煙突から排出される量に見合った空気が直近の給気口から供給されるため、給気口より抵抗が大きい隙間風が遠くからわざわざ薪ストーブのほうに向かって動くようなことは無くなります。
つまり、排気に必要な外気(冷気)を人と薪ストーブとの間に入れさえしなければ人はその冷気を感じることが無い、という訳です。
単純な原理ですから「なんだそんな簡単なことを今さら・・・」と言う人もいるかと思いますが、このことに気付かずあまり快適でない薪ストーブライフを過ごしている方がいるのもまた事実だと思います。
さて、具体的な穴の大きさは、と言うと、煙突と同じ大きさ(φ150)で開けておけば大丈夫だと思います。ただしフタの種類によっては、有効開口面積がだいぶ下がってしまうので、注意が必要です。
今回我が家で使用したものは、防虫網付きのステンレス製平型ベントキャップで、PanasonicのVB-FN150Sという品番でした。(価格3,500円+税)
これは、仕上げ面からの出っ張りが小さいので室内で使用してもそれほど違和感はありませんでした。(どうせ薪ストーブで隠れますし・・・)
ただ、網目に力を掛けると簡単に網目が伸びてしまうので注意が必要です。
(つまり、伸ばしてしまった、と言うことです)
シャッター式のレジスタータイプもありますが、開口率が1/3程度となってしまうために給気口として使うには少し勿体ない使い方だと個人的には思います。
穴を設置する場所は、1階であれば、どうしても「雨仕舞」が必要となってくる外壁よりも、床に設置するほうが断然簡単ですし、目立たないと思います。
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